中小企業の大卒求人倍率近年、特に中小企業において人材不足が良く言われています。今、新卒採用の季節ですが、中小企業の中でも法人向けサービス、いわゆるB to Bサービスの会社は知名度に劣るので不利という話も聞きます。【出典】リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査」5000人以上の企業が0.42倍に対して、300人未満の企業が8.62倍。今年求人倍率が下がっているのは、新卒採用を諦めて中途採用にシフトしている企業が増えているためと、インターンシップの拡充など各社の取り組みの成果のためのようです。社員が辞めるのにお悩みならロコソルへ人材の定着率このように企業としては採用に非常に苦労している現状ですが、せっかく採用して苦労して育てても辞めてしまうという悩みを良く聞きます。企業側の気持ちは当然ですが、正直、今のように変化が激しい時代では終身雇用で企業が雇用保証できる時代ではありません。であれば、社員としてはその企業にいてもメリットがないと判断すれば辞めるのは合理的な行動だと思います。「人は石垣、人は城、人は堀」。これは武田信玄の有名な言葉ですが、戦国時代でも企業でも成否を分けるのは人であることは間違いないと思います。戦国時代とか分かりやすいですね。優秀な武将が揃い、彼らが能力を発揮して働いた大名は成長しました。配下の武将にこの大名に仕えても仕方ないと思われれば、主君を鞍替えされたり寝返られたりしました。単にマンネリ化して居座っている人材が多いのも問題ですが、育成して戦力になっている人材が定着しないことは企業にとって痛手です。職場環境・人間関係への配慮社員が辞めてしまう要素は複数ありますが、この中で「職場環境・人間関係への配慮」にスポットをあてたいと思います。これは中小企業白書2017年版の掲載データです。上の図は、人材定着や育成のために中小企業が有効だと考える取組の調査(人材採用成功企業、不成功企業別)。下の図は、取組の項目がない場合に、社員が今後も働き続きたいかの調査です。上の図によると、「職場環境・人間関係への配慮」が人材定着に有効な取組だと考えるか?について、人材確保(採用)成功企業と不成功企業との間で認識の差が大きいです。つまり、「職場環境・人間関係への配慮」の重要性を認識している企業の方が、採用面でも人を惹きつけるということですね。また、下の図によると、社員サイドから見て「職場環境・人間関係への配慮」がない会社は7割近くに離職意向があり、最もインパクトがある要素に挙がっています。つまり、企業が認識している以上に社員は「職場環境・人間関係への配慮」を重視しているとも言えます。もう一つ、中小企業白書2015年版から面白いなと思ったデータを紹介します。人材定着に関して有効と認識されている取組についての調査です。企業側と社員側でギャップが大きい項目(順位が6つ以上変動)は色を付けています。赤丸:企業側は有効と認識しているが、社員側はそうでもない取組青丸:社員側は有効と認識しているが、企業側はそうでもない取組<企業側の回答><社員側の回答><企業側は有効と認識しているが、社員側はそうでもない取組> ※赤丸・賃金の向上 企業1位・社員9位・職場環境の美化・安全性確保 企業7位・社員16位<社員側の方が有効と認識している取組> ※青丸で表示・職場環境への配慮(人間関係、ハラスメント対策等) 企業12位・社員5位・社外との人材交流 企業17位・社員8位(注記)職場環境への配慮の項目だけが企業側と社員側とで回答項目が違いますが(企業側ではハラスメント対策となっている)、「職場環境への配慮(人間関係、ハラスメント対策等)」で統一しました。これを見ると、「職場環境」と一口にいっても「美化・安全性確保」の方は企業が思っているほど社員は重要と思っておらず、「人間関係、ハラスメント対策等」は企業が思っている以上に社員は重要と思っているようです。職場環境改善へのヒント集これらのことから次のような示唆が考えられます。① 美化・安全性といったものはあって当然と思いがちなので、社員は重要性を認識しにくい(当然、軽視して良いといった意味ではありませんが)。② 人間関係・ハラスメント対策の問題は、仕事をしていく上で重要と多くの社員は考えている。しかし、人間関係・ハラスメント対策の問題は、対策の効果が見えにくいから企業としては改善の手を付けにくい(結果として、重要と考える認識が落ちる)。③賃金の向上の効果は限定的かもしれない。それに、業績が好況であればこの取組をしやすいが、不況の時には社員の期待に応えられない。④中小企業は同期や同世代の社員が少ない、いないケースも多いので、企業間交流やセミナーなどの手段で社外との人材交流を促進することはメリットがある。職場環境改善への取り組みをここまでの話をまとめると、・人材定着の向上には、「職場環境・人間関係への配慮」は重要な要素。それは採用にも好影響を及ぼす。・職場環境改善の取り組みは、種類によって企業側と社員側で有効性の認識ギャップがある。「人間関係・ハラスメント対策への配慮」は社員の期待に対して、企業側の取り組みが不充分になりがち。ということがわかります。たしかに人間関係・ハラスメント対策の問題はどうにかしたいと思っているけど、何から手を付けたらいいかわからない。ロコソルは、改善の手を付けにくい人間関係・ハラスメント対策の問題にも企業様の伴走支援をします。社員が辞めるのにお悩みならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「人手不足を解消する業務改善支援サービス。広島県内の会社を比較・紹介」