人材定着のために職場環境の改善は重要ですが、「他社は実際にはどう取り組んでいるのだろう?」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は5つの職場環境改善の事例・アイデアを・コミュニケーションの改善・制度の改善・環境の改善の3つに分けて紹介します。ぜひ参考にしてください。エンゲージメントを向上したいならロコソルへ1. コミュニケーションの改善無記名ノートで提案しやすい会社風土に会社名 :株式会社長島製作所業種 :金属プレス・製造業従業員数:140名 ※2017時点【問題点】不良品発生率が高くなっていたが、社員が意見する会社風土になかったため現場の問題が共有されず、結果、不良品対応の残業時間が増加していた。【取り組み】「YKI活動」として、(Y)やりづらい、(K)気を遣う、(I)イライラするということに関する気づきを無記名でノートやホワイトボードに記入し、社内で共有する活動を開始。全ての提案に対して毎朝の工場長の会議で改善案を検討しそれを提示した。【効果】YKI活動開始から6年で800件ほどの提案がなされ、会社全体が改善・提案を積極的に行う風土に変わった。高くなっていた不良品発生率も大幅に改善した。参考:株式会社長島製鉄所 経済産業省「中小企業・小規模事業者の人手不足への対応事例」コミュニケーションツールで情報共有を活発化会社名 :株式会社SUU・SUU・CHAIYOO業種 :レストラン経営・プロデュース、雑貨輸入販売従業員数:190名 ※2020年時点【問題点】7割が外国人従業員でLGBT従業員も多く活躍する職場。店舗や従業員数の増加で直接話をする機会を取りづらくなっていた。利用していたFAXやメーリングリストも一方的なものとなっており、情報共有の環境が必要だった。【取り組み】外国人従業員でもSNSを使う感覚で使用できるTalknoteというコミュニケーションシステムを導入。スピーディーな業務の情報共有だけでなく、社長の参加したセミナー内容や考えについても共有した。ツール内でアンケートも実施することで現場の声を拾い、経営に活かした。【効果】情報が行き渡ることで、社員の誰かにトラブルが発生しても、誰かが気づき対応するという体制ができた。情報共有がスムーズになったことでストレスの軽減にもつながっている。さらに、いいねやコメント機能を使うことで、相互コミュニケーションが実現し、離れていても自分が承認されている実感につながっている。スタッフ同士の関係が密になりお店を好きになった社員が増えている。参考:株式会社SUU・SUU・CHAIYOO(スースーチャイヨー) 中小企業庁「はばたく中小企業・小規模事業者300社」2. 制度の改善会社名 :アース・クリエイト有限会社業種 :建設業従業員数:22名 ※2017年時点【問題点】仕事にこだわりがあり職人気質な社員もおり、若手社員やアルバイトが掃除などの仕事ばかりを行なっていた。そのため非効率で長時間労働の原因になっていた。【取り組み】若手社員に早い段階でいろんなことに挑戦する機会を設ける「オールラウンダー制」を取り入れた。また積極的なコミュニケーションを促しながら、計画的・効率的に作業できるよう、2人で1つの仕事を担当するバディ制度を導入。更に、社内向けポータルサイトを立ち上げ、日報や工事の進捗を共有し、不要な会議を減らした。【効果】取り組みを積み重ねることで業務が効率化。週平均残業時間は2005年の30時間から2015年8.3時間に減少し、休暇取得もしやすくなった。離職者数が大幅に減少した。参考:アース・クリエイト有限会社 内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局「企業・地方公共団体における好事例集」3. 環境の改善社員が快適に過ごせる環境の整備会社名 :株式会社荒木組業種 :建設業従業員数:211名 ※2019年時点【問題点】体を酷使し、猛暑・極寒の環境でも作業しなければならない建設業が「働きやすい業界」になることは容易ではなく、人材定着をはかるためにも古いイメージから脱却する必要があった。【取り組み】エントランスに壁面緑化「Tateniwaタテニワ」を設置。四方をホワイトボードで囲んだアイデアルームや畳のリフレッシュルーム、社員の趣味を展示するコーナーも設けた。また、一人当たりの作業スペースを広くしたり、計測にドローンを導入するなどして業務の効率化も図った。【効果】労働生産性が向上し、2018年の時点で10年以上の勤続社員が50%以上を占めた。一方で労働時間において満足度が低いため、引き続き業務の見える化、機械化を検討しながら環境づくりへの取り組みを続ける。参考:株式会社荒木組 株式会社荒木組「建設業の未来につなげるためのチャレンジ」こちらの関連記事もご覧ください。「建設業における働き方改革の現状」女性技術者を増やすため更衣室・女性トイレを設置会社名 :株式会社栄和産業業種 :製造業従業員数:140名 ※2018年時点【問題点】技術系の作業は男性社員に偏っており、応募者自体が少ない女性社員は総務部に偏っていた。女性活躍推進への取り組みを進めたい。【取り組み】女性の技術者を増やすためには女性が望む職場環境の整備が重要と考えた。それまで女性専用トイレがなかった工場に、助成金を使用して更衣室付き女性用トイレを設置。事務職として入社した女性社員にも、製造や技術職に配属を想定して製造現場実習を行った。女性にも働きやすい職場とPRする求人広告を作成した。【効果】女性の応募者が増え、技能職においても新卒女性を採用できた。女性社員の定着が今後の女性社員採用にもつながり、優秀な人材の確保に繋がっていくだろう。参考:株式会社 栄和産業 厚生労働省「中小企業における女性活躍推進取り組みのための好事例集および改善取組事例集」職場環境改善の取り組み まとめ今回は5つの会社の職場環境改善の事例・アイデアを紹介しました。今ある問題に対して改善策を探って実施し、社内の意見も注意深く確認しながら取り組んでいきたいですね。ぜひ今後の取り組みの参考にしてください。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「モチベーションをアップする5つの方法。まずは自分自身から」