会社、部、課、チームを運営する中で、「部下が本音を話してくれない」「活発な会議にならない」「唐突に退職の意向を伝えられた」など、もやもやするシーンはありませんでしょうか?特に昨今は新型コロナウィルスによるリモートワークの影響から、直接のコミュニケーション量が減少しており、以前よりメンバーコンディションが見えにくくなっている職場もあるでしょう。今回はそんな職場環境を改善して、「活気ある生産性の高い組織作り」「メンバーが生き生きと就業するため」に重要な概念である「心理的安全性」についてご紹介します。エンゲージメントを向上したいならロコソルへ心理的安全性とは?心理的安全性とは、「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」と定義されている概念です。端的に言うと「自分の考えや気持ちをチーム(組織)に不安なく話せる環境(雰囲気)」であり、この状態を作ることでメンバーモチベーションや生産性向上につながるとされています。ハーバード大のエドモンドソン教授が提唱し、2016年にグーグル発表した、「プロジェクト・アリストテレス」から注目を集めました。最近ではこれを取り入れたマネジメントを行っている企業が増えてきています。なぜ心理的安全性が必要なのか?心理的安全性を高めることは健全な職場を作るために必要不可欠と言えます。期待される効果は下記となります。① 人材流出の抑止心理的安全性が高い職場はいわゆる「風通しが良い」と感じている状態になりやすく、かつ成果も上がっている可能性が高いです。メンバーとしては、自身の力を発揮し、壁にぶつかった時には周囲の同僚、上司に頼って仕事を進めることができます。結果として自身の中だけで思い悩むことが少なくなり、上司が察知できない不意な退職が少なくなることが期待されます。② 生産性の向上グーグルの研究結果からも心理的安全性が高い組織は生産性が高いという結果が出ています。自身の弱みをさらけ出せたり、否定される心配がない組織の中ではメンバーが果敢にチャレンジをすることができます。その結果これまでにない考え方や発想が生まれ、事業をより良い方向へ進めることが可能となります。③ 従業員エンゲージメントの向上従業員エンゲージメントを測る指標であるeNPSの向上も期待ができます。(エンゲージメントとは?:企業と従業員、従業員同士の相互理解度のこと)心理的安全性の高い職場では、各人が活き活きと仕事をし、やりがいや価値を感じている可能性が高いです。メンバーは自社への愛着や信頼度も高く持ち、顧客に対してより良いサービス提供をしたいと考えるようになります。エンゲージメントと業績との有意な関連性はデータとして示されています。心理的安全性は誤解されやすい心理的安全性はよく理解をしないと、勘違いが起こりやすい概念です。よくある事例についてお伝えします。「安心であればよい」「みんな仲良くできていればよい」という類いのものではありません。心理的安全性は「働く上で安心できる環境」という印象を強く受ける方もいらっしゃるかと思いますが、それだけではない。ということが非常に重要です。あくまでも「チームにおいて、他のメンバーが自分が発言することを恥じたり、拒絶したり、罰をあたえるようなことをしないという確信をもっている状態であり、チームは対人リスクをとるのに 安全な場所であるとの信念がメンバー間で共有された状態」が核です。これは目的に向かって、より良い内容にするために対人リスクを取れる状態ですので、「ただただ安心で穏やかに働けるだけ」の職場とは一線を画します。「心理的安全性」と「責任」を伴った組織が「学習する職場」としてパフォーマンスが高い組織として定義されています。 (参考:Amy C.Edmondson チームが機能するとはどういうことか)リーダーはそのことを念頭においてメンバーとのコミュニケーションや組織運営を考える必要がありますね。心理的安全性を高めるためにはここまで組織において心理的安全性を高めることが重要であることを紹介してきました。次に具体的に心理的安全性を高めるために実践するべきことをお話しします。心理的安全性の重要性にいち早く着目したグーグルでは「1on1ミーティング」(上司と部下の1対1の対話)を実施しています。その目的はメンバーの考えの可視化と信頼関係の構築です。これを行うことによって、リーダーとメンバーの関係性構築ができ、早期に軌道修正や価値観のすり合わせをすることができます。ただし、1on1ミーティングは上司である管理者に部下との対話スキルが求められます。まとめ組織作りにおける新たな概念である心理的安全性についてお伝えしてきました。心理的安全性を高めることで得られる対価として生産性向上もありますが、何よりもメンバー個人が自身の価値発揮をして元気に働ける成果が大きいかと思います。組織を運営する皆様は、メンバーには楽しく活き活きと働いてもらい、仕事のパフォーマンスを向上して欲しいと願っていらっしゃるでしょう。働き方改革のテーマにも適ったものです。是非メンバーコンディションの可視化を行い、心理的安全性の高い職場環境作りを進めてみてはいかがでしょうか。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「心理的安全性を高める方法。職場環境の改善のために。」