経営者、中間管理職、一般社員の3つの層の間に、お互いの「本音の交流」を阻む見えないバリア層が挟まっていないでしょうか?そんなバリアがある組織では、それぞれの層の中で生じた負の感情や不満が行き場のないままに蓄積し、経営効率を低下させるだけなく、離職や心身の健康を損なう原因になります。しかし、利益の追求、会社の存続をまず考えなければならないのが企業で、そこにシビアな課題を抱えているのが多くの企業の現実です。そんな中で、組織の風通しに問題があると分っていても、その改善に多くのリソースをつぎ込む余裕がないのが、多くの会社とくに中小企業の実情ではないでしょうか。そんなときに導入を検討してみたいのが、社員の全員が持っているスマホを利用するコミュニケーションツールです。この記事では、最近増えているさまざまなタイプの組織改善ツールの内容を比較して、社員の定着率やメンタルヘルスの向上を考えている経営者の参考に供したいと思います。エンゲージメントを向上したいならロコソルへ1.Geppo 月に1回のアンケートで社員のSOSを早期にキャッチGeppo(ゲッポウ)は、社員を対象にしたアンケート(サーベイ)を定期的に行ない、問題を抱えている個人からのアラートを早期にキャッチして、面談などで対応するためのツールです。個人的な問題へのサーベイは月に1回、3問(仕事の満足度・人間関係・健康)のアンケートに実名で回答する形で行ないます。回答だけでなくコメントを記入することもできます。ツールの管理者は、その回答やコメントを見て、対応すべきアラートが発せらている場合は面談を行うなどで問題の早期解決を図ります。社員から見た組織全体の問題点に対するサーベイは、四半期または半期に1回、20問程度のアンケートに匿名で回答してもらう形で行ないます。このようにGeppoは個人サーベイと組織サーベイを組み合わせて、個人と組織の両方の課題を見える化して、組織改善のPDCAを回していく対策を支えます。公式HP:https://www.geppo.jp/2.Pulse 「調子どう?」でリモートワーク社員のコンディションを知るリモートワークが広がる中で、コミュニケーションが不足して、メンバーのコンディション変化を把握しにくいという問題を解決するのが、採用エージェンシーのウォンテドリーが開発したPulse(パルス)です。Pulseは、チャットツールのSlackをカスタマイズしたWantedly Slack App内にあるツールで、リモートワークをしている社員は、週に1回送られてくる「調子どう?」という質問に5段階で回答します。それによって、業務へのモチベーションや、メンタル面のコンディションの「最初の波」を見逃さないようしようとするものです。Pulse(パルス)にはもう1つ、社員同士が同僚や部下の働きぶりなどについて称賛付きのメッセージを気軽に送れる機能もあります。現在は2021年9月の正式リリースを前にしたβ版で、Wantedlyの有料プランを利用している企業に無償で提供されています。公式hp:https://www.wantedly.com/companies/wantedly/post_articles/2417303.RECOG 「ほめる」ことで組織の課題を解決RECOGは、メンバー同士でほめ合う「レター」機能が特徴。面と向かって伝えにくい感謝や称賛を気軽に伝えられます。もらった「レター」にリアクションしたり、拍手をしたりと、さまざまなアクションがメンバーにシェアされます。社内の前向きなコミュニケーションを可視化することができるこの機能には、ポイントが貯まる、ランキングをつけることができるなど、ゲーム感覚で楽しめる仕掛けや演出がいろいろ付いています。ビジネスチャットや社内SNSを使ってみたが利用が進まなかったという場合も、「ほめる」ことがきっかけで、参加者が増えて活性化することが期待できます。チームごとに投稿できる掲示板もあり、業務連絡やノウハウの共有など、さまざまな使い方ができます。公式HP:https://www.recog.works/ja/?gclid=CjwKCAjwh7H7BRBBEiwAPXjads5_OI7lP9-iKUnJ2QH9XmE_OtN3Zen-plAxoVDSyBQ3r2FWh2E2CBoCL7sQAvD_BwE4.TUNAG 日報からコミュニケーションを図る書かされる方にとっては手間と時間を取られ、書かす方にとってもチェックに手間がかかる割には有効利用されていないのが日報です。そんな日報をスマホでスマートに作成できるのがTUNAG(ツナグ)です。帰りの電車で日報を書くことも可能で、画像やファイルを添付することもできます。チェックする上司にとってもフォーマットが決まっているので見やすく、日報の情報がデータ化されるので、それを分析して有効利用できます。日報未提出者への催促も自動で行われます。「コメント機能」で双方向のコミュニケーションが手軽にでき、上司からのフィードバックも手間がかかりません。過去の投稿も「フィルター機能」でかんたんに振り返ることがで、知りたい情報にすぐにアクセスできます。公式HP:https://tunag.jp/ja/ 5.LOKOSOL デジタルとリアルで職場の心理的安全性を向上LOKOSOL(ロコソル)は、デジタル(アプリ)とリアル(専任アドバイザー支援)のサービスを組み合わせた組織改善サービスです。アプリは社員の考えや気持ちを発信・共有する場の役割があります。そして、アプリデータを基にした職場の状態をレポートで見える化します。特徴として、社員を調査するよりも、社員が自発的に表現してくれた言葉を大切にするスタンスを取っています。レポートに基づいて、1. 個人的な問題については、上司と該当社員の面談をサポート(ロコソルが上司に問いかけのヒントを提供)2. 職場の問題については、企業の選抜メンバーとロコソルがミーティングして対策を検討する3. ミーティングの結果に基づいて組織改善のPDCAを実行するなどを実施して、安心して働ける職場づくりを推進します。つまり、アプリで社員の本音に近づき、そのデータを活用してロコソルの専任アドバイザーが組織改善を支援することで、企業の組織改善と社員ケアに貢献するのがロコソルのサービスです。公式HP:https://www.lokosol.co.jp/まとめさまざまなタイプの職場コミュケ―ション改善ツールをご紹介しましたが、重要なのはそのツールを使用する趣旨・目的を従業員に良く説明し、理解してもらうことです。それによってツールの利用が活性化し、離職の防止や社員のメンタルヘルスの向上に役立てることができます。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「情報共有しない上司?社内で情報共有を図る目的と方法」