「健康経営」という言葉をご存じでしょうか?この考えは「The Healthy Company」の著者、経営心理学者のロバート・ローゼン博士が「健康な従業員こそが収益性の高い会社をつくる」と提唱したのが始まりです。では、企業が健康経営を行うと、どんなメリットがあるのでしょうか。今回は健康経営の内容や期待できる効果、また広島県にある企業のうち、健康経営優良法人に認定された5つの企業についてご紹介します。エンゲージメントを向上したいならロコソルへ健康経営とはどんな理念?健康経営とは、企業が従業員の健康管理を経営的な視点から考え、健康を保つための取り組みを戦略的に行うことです。従業員の健康を保ち、増進するための投資は業務効率の向上や収益アップなど、長い目でみれば企業の成長につながるという考えのもと、企業は経営理念に基づいて「健康経営宣言」を行い、その宣言内容にもとづいて健康経営を行います。ここで言う健康とは、身体のことだけではなく、メンタルヘルス、労働時間の管理、職場環境など、様々な観点から健康な経営を目指します。健康経営で得られるメリット企業が健康経営を行うことで期待できるメリットを企業、従業員それぞれの視点で考えてみます。企業にとってのメリット・従業員が健康を維持できれば治療や入院が減り、医療費が抑えられる・健康な従業員が増えれば作業効率があがり、生産性が向上する・会社のイメージアップにつながる・求人者が増え離職者が減る従業員にとってのメリット・自分や家族の健康が保てる・長時間労働が減り家族と過ごす時間が増える・会社に大切に扱われることで、モチベーションが上がる企業が健康経営を行うとで、このように企業と従業員のどちら側にも、得られるメリットがあると分かりました。ここからは、健康経営を実践している広島県の企業5社をご紹介します。こちらの関連記事もご覧ください。「働き方改革のガイドラインと広島県での企業3社の取り組み事例」広島で健康経営優良法人に認定された企業5選広島県県内にある企業のうち、2020年は大規模法人20社、中小規模法人82社が「健康経営優良法人2020」として認定されました。出典:経済産業省「健康経営優良法人2020認定法人一覧」ここではそのうち5つの企業を挙げて、それぞれの取り組み事例について触れていきたいと思います。広島銀行広島銀行は、健康経営優良法人のなかでもとくに優良な企業「ホワイト500」として認定されました。これは健康経営度の調査を行った結果が、上位500位内に入った企業のみに付与される称号です。広島銀行の健康経営宣言(要約)・従業員や家族の心と体の健康を保持し増進することを大切にする。・そのために健康保険組合などとの連携をはかり、健康経営に取り組む。・人財が個々に活躍できるような職場作りに取り組む。・地域の経済発展に貢献する。個人的には、人材ではなく「人財」と表現しているところから、社員を大切な財産と捉えている様な印象があり、いいなと思いました。広島環境保健協会一般社団法人広島環境保健協会は人の健康・水・食・環境の4つの分野で、地域社会の貢献するためのサービスを提供している団体です。こちらの保険協会では、協会の健康経営に加えて、広島県内企業への健康経営支援事業も行っています。「かんほきょう」の支援メニューを設けて、健康診断にオプション追加や二次検査の提案、健康診断結果のレポート作成、職場環境のデータ測定・分析、生活習慣病の発症予防策の提供など、広島県内の企業へ様々なサービスを提供しています。広島環境保健協会の健康経営宣言(要約)・人の生命(いのち)を守るために、健康増進・住環境整備・地域貢献の3つを理念とする。・そのためにはまず職員の心身が健康であることが大事とし、安心して働ける職場作りや、職員の健康増進に取り組む。広島日野自動車広島日野自動車はトラックやバスなどを製造・販売している自動車メーカーです。そして、健康経営優良法人2020のホワイト500に認定されている大規模企業のひとつでもあります。健康宣言は、多くの項目を設けて様々な面から健康経営への取り組みを実践しています。広島日野自動車の健康宣言(要約)・従業員の健康、家族の健康、明るい家庭の3つの視点から心身共に健康を目指す。・良い商品やサービスの提供、環境への配慮、顧客の信頼獲得を土台とする。・コミュニケーションを活性化し、自ら健康管理ができる職場環境作り。・病気の予防や早期発見のため、健康診断を徹底する。・長時間労働を削減する。・喫煙率を全国平均まで引き下げる。・ストレスチェックの実施。健康経営のプロジェクトチームも発足されていて、具体的な取り組みが挙げられ、大企業ならではの大々的な取り組み方だと思いました。広島ホームテレビ広島ホームテレビは、広島県を対象にテレビ放送を行っているテレビ局です。広島ホームテレビの健康経営宣言(要約)・「豊かな情報空間の創造」の経営理念をもとに社員とその家族の健康維持を心がける。・フィジカルとメンタル両方の健康を保持・増進し、多様な働き方を推進する。・人間ドッグや生活習慣病予防健診を実施する。・産業医は従業員全員の健康診断結果を確認し、必要な社員には面談を実施したり受診を促したりする。・ストレスチェックの実施、メンタル不調者の予防から発見、対応、療養・復帰のサポートを行う。・時差出勤、労働時間の削減、有給休暇の取得、仕事と家庭の両立など様々な働き方を推進する。テレビ業界のことをよく知らない私は、テレビ局と聞くだけで激務をイメージしてしまいますが、健康経営優良法人に認定されるということは、従業員の労働時間にも配慮がされているんだろうな、と感心しました。広島電鉄広島電鉄は、広島県を中心に鉄道やバス、不動産事業を行う会社です。電車やバスの運転士さんの健康を管理することは、本人や家族、会社はもちろんのこと、公共交通機関を利用する多くの人の安全を守ることにつながりますね。広島電鉄の健康経営宣言(要約)・乗客に安心して乗ってもらえるような安全な運行のため、従業員の健康を経営の基盤とする。・運転士は人間ドックの定期実施や病気の早期発見・早期治療を心がける。・病気の治療や介護・育児をしながらの勤務もできるよう短時間労働を推進する。5つの企業とも、その会社の経営理念があり、その考えに基づいて健康経営宣言をし、実践していました。鉄道会社なら運転士さんの健康を大切にし、喫煙者の多い会社なら禁煙につながる取り組みを積極的に行うなど、業種や社風によって、重点を置くべき点が違うということも分かりましたね。まとめ今回は「健康経営」についてその内容や、実践することで得られるメリット、実際に取り組んでいる企業をご紹介しました。この経営手法は、短期間ではなく長期的に取り組むことで、心身共に健康な従業員が増え、企業の収益アップにつながっていくのでは、と感じました。ご自身の会社でもぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「健康経営に関する調査。企業・個人の意識はどう変化したのか?」