近年、働き方改革が順次施行されていることから、労働時間や待遇面など、労働環境を見直す企業が増えています。今回はそのなかでも、従業員の働く意識改革に関わる「組織改善」について取り上げます。有効な組織改善は従業員が心身共に健康でモチベーションを維持し、生産性を向上させるだけでなく、企業の発展にもつながっていきます。組織改善を行うメリットや手法、実際に行っている企業の事例などご紹介します。経営やマネジメントに関わる方はぜひ、参考になさってみてください。エンゲージメントを向上したいならロコソルへ組織改善とは組織改善とは、組織の課題を洗い出し、課題解決へ向けて対策を練り、より良い組織を目指して組織の運営方法や構造を改善していくことです。組織を改善するということは、単にその企業で働く従業員の満足度を上げることではありません。また反対に、従業員の意見を無視して売り上げアップだけを追い求める事とも違います。社員一人ひとりの意識が変わらなければ、本当の意味での組織改善は行われません。そのためには、下記の様な組織改善が求められます。・子育てや介護、通院などをしながらでも長く働き続けられる受け入れ態勢や制度の整備・社員一人ひとりの仕事へのモチベーションが向上し、責任感や会社に対する愛着が育つ様な評価基準や教育制度の導入従業員の声に耳を傾け、気兼ねなく気持ちを話せる職場の雰囲気作りは大切ですが、何の責任もなくただ言われた事をこなすだけの楽な仕事だけでは、ぬるま湯に浸かっている様な職場になってしまいます。逆にやりがいや責任は与えられても、毎日深夜まで残業するなど労働環境が過酷すぎるのは、いわゆるブラックな職場です。どちらもバランスが取れて初めて、「従業員エンゲージメント」(企業と従業員、従業員同士の相互理解度)が高い組織が作られるのです。組織改善を行うメリット(出典:ウイリス・タワーズワトソン)先ほど挙げた「従業員エンゲージメント」が高い企業は、エンゲージメントが低い企業に比べて収益や資産が高いと言われています。従業員のモチベーションや満足度を向上する取り組みが企業の生産性を上げ、最終的には収益アップや事業の発展につながるのです。そういったメリットが理解できると、組織改善は単に組織の形を変えることではなく、事業の発展を最終目的として取り組むべき改革、と言うことが分かります。組織改善の手法組織改善を実際に行う手法について考えてみましょう。①組織の課題を知る⇒②改善案を検討⇒③意識の改革⇒④計画の実施まずは現状を知るところからスタートです。組織はどんな構造なのか、どんな評価基準や運営方法はどうなっているのかなど現状を把握した上で、その組織の課題を洗いだします。そして課題を特定したら組織改善の対策について検討します。課題の洗い出しや対策については、複数の部署やチームの人材が集まって検討すると、意見に偏りが出ず良いでしょう。またこうしたプロセスに知識や情報が不足している場合は、専門のコンサルタントに入ってもらうと進行がスムーズになると思います。そして対策を実行に移す前に従業員一人ひとりの意識改革が必要です。「なぜこの組織改善が必要なのか?」「この組織改善を実行するとこんな良い事がある。」「変わらなければこんな事態になってしまう。」プラスのモチベーションとマイナス(危機感)のモチベーションどちらも大切です。たとえ仕事だとしても、人は感情で動くものです。意識改革は、従業員エンゲージメントの高い企業を目指すための組織改善には欠かせません。従業員一人ひとりが自分ごととして組織改善を意識し実行に移せるよう、ミーティング、社内報、経営陣からのメッセージなどで伝えていきましょう。広島県内企業の事例~次のステップとしての組織改善~ここで広島県内にある企業の組織改善の取り組み事例をご紹介します。(参考:Hintひろしま 事例を学ぶ)広島県尾道市にある株式会社島ごころは、社名にもなっているレモンケーキ「島ごころ」を製造・販売する会社です。こちらの島ごころでは、従業員の労働環境を整えるという点において、働き方改革はすでにミッションを達成しているとのこと。今はその次のステップとして、従業員一人ひとりのモチベーションをアップするステップに入っているそうです。【課題の洗い出し】・今まで働き方改革を意識して労働環境の整備に取り組んできたが、従業員の気持ちに寄り添い過ぎていた。・恵まれた労働環境に満足してしまった結果、従業員は少しチャレンジする意欲に欠けているのでは?【組織改善策】・個人面談を行い、個々の目標を立てさせる・新たな評価制度を設けやる気を引き出す・学ぶ機会を与え、リーダーや管理職を育てる・新規直営店をオープンするにあたり、他の業界からリーダー経験のある人や営業成績トップの人を採用した。・転職者にも活躍できる場を与えることで、既存社員のモチベーションアップやキャリアアップ志向を狙う。株式会社島ごころの従業員は8割が女性ですが、こうした取り組みを始めたことにより、従業員のやる気が向上し、パート社員からも管理職が誕生しました。地域密着型の小さな企業の取り組みですが、こうして結果につながるということは、組織改善の成果の表れだと感じます。まとめ今回は「組織改善」を取り入れるメリットやその手法、広島県にある企業の取り組み事例をご紹介しました。それぞれの組織で重要な課題を見つけ、その課題に沿った組織改善を行うことで、従業員のエンゲージメントが向上し、事業の発展につながっていきます。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「組織改善ツール比較5選 社員の離職率低下に役立つツールとは」