こころの健康を保つのに大事な要素のひとつとなる、職場環境の改善。職場環境を改善して従業員のストレスを減らすことは、メンタルヘルスケアにおいてとても大切な取り組みです。厚生労働省が委託事業として開設した「こころの耳」というメンタルヘルスに関するポータルサイトをご存知でしょうか?こころの耳では、企業がメンタルヘルス対策に取り組むサポートとして、働く方向け、家族、経営者、管理職など、それぞれの立場の方に向けた、こころのケアに関する支援先や支援内容などさまざまな情報を掲載しています。今回は「こころの耳」に掲載されている職場環境改善ツールのなかから、初めて取り組む企業の方でも便利に使えそうな4つのツールをご紹介します。職場環境の改善を考えている経営者や人事・管理部門の方はぜひ、活用してみて下さい。エンゲージメントを向上したいならロコソルへストレスチェック制度と連動して行う職場環境の改善平成27年に労働安全衛生法の一部が改正され、メンタルヘルスの不調を未然に防ぐ目的で、ストレスチェック制度がはじまりました。これにより50名以上の従業員がいる企業では毎年1回、ストレスチェックを行うことが義務付けられています。このストレスチェックは、仕事のストレス要因、心身のストレス反応、周囲のサポートの3領域を網羅していて、57項目の質問に4択で答えていきます。私も会社員として働いていた頃、このストレスチェックを受けたことがありますが、10分程度で済んだので、受ける側の負担は少ない印象でした。設問の中には、職場の空調・照明・換気などに関するものや、自分の今の感情や健康状態、そして職場や家族など周囲の人との人間関係についても含まれます。ストレスチェックの結果は、従業員一人ひとりのメンタルヘルスの状態を知る目的で行われますが、利用方法はそれだけではありません。この結果が、職場環境の改善へのきっかけとなります。ストレスチェックを集団分析して企業の発展へこのストレスチェックの結果によっては労働時間の見直しや、配置転換など企業側の対応が必要な場合もあります。従業員がメンタルの不調を訴える前に、集団ごとの結果分析を行い、職場環境の改善に取り組んでいくことが大事です。職場環境の改善を行うことで心身共に健康を保てるようになれば、従業員一人ひとりのモチベーションが上がり、生産性の向上につながっていきます。そして最終的には売り上げアップにつながり、企業の発展にもつながっていく可能性も十分にあるのです。そうした意味でも、ストレスチェックの結果を放置せず、職場環境の改善に有効活用していくことは、企業の成長にとっても大切なことと言えますね。「こころの耳」が考える職場環境改善とは職場環境の改善には、空調や照明やデスクやOA機器などの物理的な側面(ハード面)と、人間関係や教育制度、メンタルケアなどのソフト面の両方からのアプローチがあります。「こころの耳」では、その両面から職場環境の改善ができるよう、さまざまなツールを用意しています。これからその4つのツールについてご紹介していきます。職場環境改善スタートのための手引き職場環境の改善にこれから取り組もうとしている、実施者や産業保健スタッフのためにつくられたガイドです。職場環境改善のメリットや、具体的な進め方、実施モデル、取り組み事例などをていねいに紹介しています。出典:これからはじめる職場環境改善~スタートのための手引き職場環境の改善に取り組むのがはじめて、という方はまずこの手引きを読んで職場環境の改善とはどんなものなのか、理解することをおすすめします。ストレスチェック制度を利用した職場環境改善ストレスチェックを行った結果をどう職場環境改善に活用したらいいのか分からない、といった事業者向けに作られた手引きです。職場環境改善がストレスチェックにどう関わるのか、ストレスチェック制度の紹介、取り組み事例などを紹介しています。出典:ストレスチェック制度を利用した職場環境改善スタートのための手引き職場環境の改善に難しさを感じている、ストレスチェックをするだけになっていて結果の活用方法が分からない、という事業者の方はこのツールを活用してみてください。職場改善のためのチェックリストこのチェックリストは「メンタルヘルスアクションチェックリスト」とも言われていて、実際に企業で働いている従業員の思いを見える化するのに役立つツールです。日本全国から集めた職場環境の改善事例を取り入れて、勤務時間や作業手順、空調や喫煙、コミュニケーションなどハード面とソフト面の両方を含む6つの領域に分かれた30項目がチェックリスト形式になっています。出典:職場環境改善のためのヒント集 メンタルヘルスアクションチェックリスト職場の快適度チェック職場のソフト面(人間関係や給与などの待遇、仕事の負荷やさまざまな制度など)に特化したチェックシートです。企業の経営者サイドと従業員の両方でチェックを行い、その結果を比較・検討することでどんなところに意識の差があるのかも確認できます。出典:職場の快適度チェックシートこの調査は匿名で行うことを前提としていて、このチェックシートの結果を人事考課や管理者の評価に使わないものとして注意を促しています。匿名であるからこそ、従業員も管理者も自分の気持ちに正直に回答できるのがいいですね。社員の思いを見える化するのに良いツールだと思いました。まとめ今回はメンタルヘルスのポータルサイト「こころの耳」に掲載されている、職場環境の改善に役立つ4つのツールをご紹介しました。ストレスチェック制度の結果を有効活用し、職場環境の改善に取り組み従業員のストレスを軽減することで、生産性が向上し、事業の発展にもつながっていきます。ご自身の会社でもぜひ、取り入れてみてはいかがでしょうか。ロコソルでは、ストレスチェックの受託も承っており、個人用レポートに加えて、集団分析も提出しております。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「「職場環境改善」5つの事例・アイデアを紹介〜中小企業の例〜」