2020年10月30日に最新の新規学卒就職者の離職状況が発表されました。長らく「新卒の3割は3年以内に辞める」と言われていましたが、今回もその例にもれず、大卒者が約3割、高卒者は約4割が3年以内に離職をしています。企業の事業成長のためにもいかに新たな戦力を迎え入れるか、育てるかは重視されていることと思います。また、企業にとっても就職者にとっても、早期に「辞めてほしい」もしくは「辞めるつもり」であることはなかなかないはずです。今回はどうして一定数の新規学卒就職者が早期に離職をしてしまうのか、早期離職を防ぐにはどうしてらよいのか、について考えていきます。何かご参考になりますと幸いです。社員が辞めるのにお悩みならロコソルへ早期離職の調査結果まずは3年以内離職者の実態について整理していきましょう。最新のデータ(2017年3月卒業者の状況)によると、大卒者は32.8%、高卒者は39.5%が3年以内に離職をしています。その中でも事業規模によって顕著な差がでており、5名以下の規模だと、大卒者で56.1%、高卒者で63%と平均よりもかなり高い水準となっています。一方で1000名以上の規模だと、大卒者で26.5%、高卒者で27.4%と平均を下回る数字でした。また、産業別でみると大卒、高卒ともに「宿泊業、飲食サービス業」「生活関連サービス業、娯楽業」「教育・学習支援業」「小売業」「医療・福祉」の順に高く、大分類だとサービス業の離職率が高いことが見て取れます。※宿泊業、飲食サービス業は前年比大卒+2.2%、高卒+1.3%ですので、一概に新型コロナの影響で離職率の順位が上がったものではないと言えます。上記結果から、大規模事業者に比較して小規模事業者からの離職者が多いこと、産業別ではサービス業からの離職者が多いことがわかりました。次に離職者の退職理由についてみていきましょう。参考厚生労働省HPhttps://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000177553_00003.html新卒はどんな理由で離職するのか早期離職者の理由について、厚生労働省と内閣府からも調査結果が公表されています。下記の通りとなります。・厚生労働省1位 労働時間、休日等の労働条件が悪かった2位 給料等収入が少なかった3位 職場の人間関係が好ましくなかった・内閣府1位 仕事が自分に合わなかったため2位 人間関係がよくなかったため3位 労働時間、休日、休暇の条件がよくなかったため他人材サービスを提供する企業からも「仕事が合わなかった」「人間関係」「労働条件や給与」などは上位に挙げられており、上記理由は一定の確からしさはあるでしょう。労働条件などは求人票に公表しているものと実態が乖離している、そもそも求人票という存在自体を知らない、というケースもあるでしょう。また、人間関係などなかなか判断をしにくい定性的な理由が離職の理由にもなっていることが見て取れます。しかし、上記だけを真に受けても少し疑問が残る点もあるので、どうすれば離職を防げるのかも考えていきましょう。採用時のギャップを埋める対策を早期離職者を出さないために前述の離職理由をつぶしていけばよいか、というとそうではないとも考えられます。特によく理由に上がる「仕事があわなかった」という文言は要注意です。果たして学生の時から「働くこと」をリアルに意識できていたでしょうか?少なくとも私は働くとは何か、営業とは何をするのか、など具体的なイメージができていませんでした。一部のすごく就業に対してよい点も悪い点も想定して準備をしている学生を除いては「ざっくりはわかるけど、具体的には何ともいえない」という状態が大多数ではないでしょうか。また、学生でも触れていてイメージが付きやすいサービス業での離職が多いことも考えると「悪いこと」まで考えられている学生はかなり少ないかもしれません。恐らく「仕事が合わなかった」という内容には「よくわからずに入ってみたけど、実は色々嫌なことが多かった」というニュアンスのことが多分に含まれているでしょう。そのため、「仕事が合わなかった」の払しょくには、企業側のフォローが欠かせません。学生に事前にすべてをイメージをさせることは限界がありますので、採用面接段階で「働くこと」をよく理解されている企業側から実態のやりがいや大変さを教えたり、就業後も適宜発生する何かしらの本人たちの中の「ギャップ」を拾いあげて解消することが重要になります。次に、「給与」についてですが、これはある種「変えることができない事柄」である可能性が高いです。本来であれば就職者たる学生が「この企業に入ればどの程度お金がもらえて、そうすればどの程度の生活になるのか」を考えて入社決断をすれば起こりえない理由でしょう。しかし、中々そこまで考えきれないことが実態ですし、学生によっては質問をしにくいと感じる方もいるでしょう。そのためこの理由に対しても、やはり採用側である企業が先回りをして給与制度の説明や質問をしやすい場作りをし、場合によっては少し先の年代の社員の生活ぶり(家族の有無など)を見せてあげると、一歩踏み込んだイメージを持って入社できるのではないでしょうか。まとめここまで新卒者の早期離職について考えてきました。あくまで上記考えは一例であり、企業様の状況によってはどうしても難しいこともあるでしょうし、就職者の離職理由はそれこそ人の数だけ理由があると思います。しかし、離職理由を少しひも解いてみると、実は就職希望者と企業が認識のギャップがなく入社できていれば退職を避けることができる事例も多くありそうです。社員が辞めるのにお悩みならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「離職率が高い業界と原因。若者はなぜ会社を辞めていくのか?」