少子高齢化や若年層の離職率の増加など、人材の確保に課題を抱える企業は少なくありません。こうした背景のなか、限りある人材をどのように活かして業務を遂行するか、思考を巡らせる経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。たくさん人材を採用しても育てて活用できなければ、人件費ばかりが掛かるだけ。人材育成はその企業が今後発展するか、衰退するかを左右しかねない重要な要素です。今回は、人材育成の4つの手法と人材育成がなぜ重要なのか、その理由についてご紹介します。従業員や部下を育成する際の参考になさってみて下さい。社員の力を引き出すならロコソルへ人材育成4つの手法人材育成について、これから4つの手法をご紹介していきます。育成を行う側は、受ける人に近い立場の人、上司、外部の専門家、他部署の人と各方面からの人材を活用した手法をピックアップしています。それではさっそく見ていきましょう。OJT:まずやってみる多くの企業で取り入れられるOJT(On-the-Job Training)。実際に業務を行うなかで必要な知識やスキルを身に着けていく、人材育成の手法です。コンビニやファストフード店などでもよく取り入れられる手法なので、、学生時代にアルバイト経験がある方なら馴染みがあるかもしれません。私も学生時代に経験したハンバーガー店のアルバイトでOJTを受けた経験があります。お店に入った当日に、いきなりカウンターに立たされたときはドキドキしました。それでも先輩の動向を見よう見まねで実践するなかで、作業内容や接客のトークスクリプトを覚えていったことを思い出しました。とは言え、企業のOJTではいきなり1人に仕事を任せるのではなく、最初は先輩社員や上司に付き添って作業を行い、徐々に仕事の内容を把握していきます。具体的なOJTの内容や進め方は業種や職種により異なりますが、他の工程と組み合わせながら行っていくのが理想的です。教育資料などを使用した説明(座学)実際に業務を体験する(実地)反省点や改善点の洗い出し(座学)必要に応じて補足説明(座学)こうしたステップを踏みながら徐々に1人で業務ができるように育成をしていきます。集合研修:均一性のある人材育成社内の大きな会議室や社外の研修センターを利用して行う集合研修制度も、人材育成でよく取り入れられる手法です。講師は社内の人材から選出することもありますが、専門知識を持った外部の講師を招いて行うこともあります。新入社員向け、中途採用者向け、職種別、階層別など、立場の同じ人を集めて行われることが多いのが、この集合研修の特徴です。同期入社同士、同様の業務を担当する人同士など、自分がふだん接している部署のメンバーとは違う社内の交流から、新たな考え方やアイデアのきっかけになることも。研修は業務から離れて行われるので受講者は集中して研修を受けられるのがメリット。また、ひとつの研修を複数人が同時に受けることで教育内容の均一性が図れるのも良い点です。デメリットとしては、参加者が受講のために業務を離れるためのフォローや、会場費や交通費がかかることが挙げられます。メンター制度:本音は少し離れた人にメンターとは相談相手、助言者を意味します。メンター制度では、先輩社員が後輩(メンティー、相談する側)のさまざまな悩みごとを聞いて、心の支えになる、仕事への心構えをアドバイスするなどのサポートをします。メンターに選ばれるのは、直属の上司ではないパターンが多いようです。同じ部署内の先輩や上司だと、どうしても遠慮してしまい本音を話しづらいことも。私も経験がありますが、会社に勤めていると、人間関係やキャリアプランなど、業務の内容以外の悩みは意外と尽きないものです。同じ部署内の人間関係の悩みを先輩に打ち明けた結果、いつの間にか本人の耳に入って気まずい雰囲気になってしまいました。メンターは、直接の業務にかかわらない他部署で年齢の近い先輩社員などが適任でしょう。目標管理制度(MBO):自ら動ける人材へ目標管理制度(MBO)はManagement By Objectiveの略で、直訳すると「目標によって管理する」という意味になります。つまり従業員が自分自身の目標を設定し、それを達成するために行動をし、その達成度を評価する、という制度のこと。注意すべき点として、高い評価を得られるよう、あえて達成しやすい低めの目標を設定する、といったことがあるかもしれません。目標は本人と教育担当者や上司が共有し、本人にとって適切な目標設定であるか内容をよく精査する必要があります。目標が設定できたら期限を決め、定期的に自己評価を行います。自分で立てた目標を達成するために努力や工夫を重ねることで、自ら考え行動できる人材の育成につながることが期待できます。MBO制度を取り入れるにあたって大事なのは、個人の目標達成が、会社の目標達成につながっているということ。企業の目標というのは、個々の小さな目標の集大成だと私は考えます。自分の目標達成に頑張ってきたことが、誰かのため、会社のためになっていると理解できれば、また次の目標を立てて頑張ろう、という気持ちになれますね。人材育成がなぜ必要なのか企業にとってなぜ人材育成が重要なのか、その目的は大きく分けて3つあります。1つは冒頭でも触れたように、少子高齢化で今後さらに人材が不足する可能性があるということ。マンパワーを減らしても同等の成果を出すためには、より優秀な人材に育てていくことが必要になってきます。2つめはグローバル化が進み、今後さらに海外の労働力が日本に進出してくると予想されること。そうした日本より安価な海外の人材に負けないためには、国内の人材をしっかりと育成し、海外に通用するような人材にしていく必要があります。最後に、人材の定着にもつながるということ。企業で先輩や上司の教育を受けた従業員は、少しずつ成長しスキルアップをすることで、やりがいや達成感を感じるでしょう。ここにいれば自分が成長できる、という今後のビジョンが見えれば「この会社に残って頑張りたい。」という会社に対する愛着も湧いてくるはずです。人材育成の手法:まとめ人材育成の4つの手法と人材育成が重要な理由をご紹介しました。ご自身の会社や部署に合っていそうなものからぜひ、取りいれてみてください。社員の力を引き出すならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。『人材定着させる6つの方法。離職の理由から見えてきた従業員の本音』