会議を効率よく進行する役として活用されることの多い「ファシリテーター」。企業で会議を効率よく進行する役として活用されることの多いですが、会議での役割だけではありません。ファシリテーションスキルは、普段のコミュニケーションや日常業務のなかでも活用できます。この記事では、ファシリテーターの役割や職場にファシリテーターが必要な理由などを解説します。社員の力を引き出すならロコソルへファシリテーターとは?ファシリテーターとは、物事を容易にできるようにする人や物という意味があります。主にビジネスの場で使われることが多く、会議や話し合いが効率的に進行するために存在する人のことをさします。会議や話し合いの議題に沿って、参加者の発言を整理し、ゴールに向かって進めていくのがファシリテーターの重要な役割です。ティーチャーやリーダーとの違いファシリテーターと似ており役割が混同されやすいものと、違いを比べてみましょう。・リーダー(leader)リーダーとは、チームや部下を先導する、指導者、指揮官などをさします。イメージとしては、みんなの前を歩き背中を見せる、集団を引っ張っていく役割を担うことが多いです。・ティーチャー(teacher)ティーチャー=先生の役割は物事を生徒や受講者に教えること。ある分野において知識や情報を持っており、それを相手に教えることが基本の仕事。一概には言えませんが、情報が先生から教わる側へと一方的な流れであることが多く、生徒や受講者は授業や講座へお金を払って参加し、先生から「教わる」姿勢で挑むのが一般的です。ただし近年では、教育の現場でもファシリテーターの制度を取り入れていることもあり、先生がファシリテーターとなり授業を進めていくケースもあります。ファシリテーターの役割は気づきを与えること。決定権はファシリテーターにはありません。話し合いでスポットライトをあてるのは参加者。あくまで主役は話し合いの参加者一人ひとりであり、答えも参加者同士で話し合って決めていきます。上記のことからも、ファシリテーターはとても重要な役割でありながら、立ち位置はサポート役、裏方のような存在といえるでしょう。ファシリテーターの役割ファシリテーターの役割は大きく分けて4つ。ひとつずつ見ていきましょう。話し合いの議題や目的を明確にする1つめは話し合いや会議の目的を明確にし、参加者全員に認識させることです。議題や目的を理解せずにスタートした会議で、眠い目をこすりつつ退屈な会議が早く終わることをひたすら待つ。そんな経験はありませんか?効率よく話し合いを進めるためには、参加者がまず、目的を理解することが重要です。ファシリテーターは、話し合いの目的を明確にして参加者へ事前に周知します。他人の意見に口を挟まない、否定しないなどルール決めをしておくのもよいでしょう。参加者の意見を引き出す2つめは参加者の意見を引き出すこと。話し合いの参加者からバランスよく意見を引き出します。会議で一部の人だけが多く発言することはよくあります。しかしそれでは、偏った意見になりかねません。ファシリテーターは、話し合いの場をよく観察し、なるべく多くの参加者が積極的に発言できるように心がけます。バランスよくと述べたのは、なかには発言をしたくない参加者もいるからです。そういった参加者には無理に意見を求めるのではなく、AかBかといった選択肢を与える質問の投げかけも有効的でしょう。参加者同士の意見交換をうながす3つめは参加者同士の意見交換をうながす役割です。ファシリテーターは話し合いの場では中立的な立場です。意見を述べたり決定したりはしません。話し合いの場で、ときには意見が対立することもあるでしょう。意見を交換することはとても大切なので、対立するのは決して悪いことではありません。そんなとき、ファシリテーターはどちらか一方の意見に同調するのではなく、それぞれの意見を受け止めます。・対立する意見それぞれのメリットデメリットを挙げる・複数の意見から共通点を見つける・参加者が共通点を見出す参加者同士で、よりメリットが多くデメリットの少ない結論を導き出す「お手伝い」をする感覚です。時間を管理しゴールへ導く4つめは会議の時間を管理しゴールへと導くことです。どんなに有益な話し合いがおこなわれていても、時間の制約も無くだらだらと続けるのは効率的な会議とはいえません。話が長くなりそうな人の発言は、本人に代わり参加者に要約するのもよい手段です。設定した時間内で散らばっていた意見を取りまとめ、徐々にゴール(結論・決断)へと導いていきます。ファシリテーターが会社に必要な理由ファシリテーターはなぜ職場に必要なのでしょうか。その答えはさまざまですが、筆者はプラスαのメリットがあるからと考えます。ファシリテーターのいる職場は、人材育成にもつながります。もう少し分かりやすく説明しましょう。ファシリテーターは先導者でもなければ、物事の決定権を持つ人物でもない、という話をしました。参加者に気づきを与えるのがファシリテーターの役割。話し合いの場では参加者全員が主役であり、意見を交換しながら結論を出す。司会やリーダーが場を仕切っていたら、その人に依存して積極的な意見が出てこないケースもあります。ファシリテーターの存在が、従業員の自立心や責任感を育むのです。ファシリテーターの活用は、話し合いを効率よく進めるだけではなく、人材育成にもつながっているといえるでしょう。ファシリテーターに向いているのはどんな人?社内の人材を活用してファシリテーターの配置を考える企業もあります。ただし経験が無いと、自分には難しい、と感じる人も少なくありません。ファシリテーターに求められるスキルとして、コミュニケーション能力があります。コミュニケーションが上手い人は、相手の話や意見を引き出すのも得意です。とかく話し上手が向いていると思われがちですが、そうとも言い切れません。ファシリテーターに求められるのは話術ではなく、人の意見を引き出すこと。聞き上手、質問上手な人こそ、ファシリテーターに向いているのではないでしょうか。職場で適任者が居ない、従業員の意見を引き出すのが難しいと感じる場合や、社内の人間だとパワーバランスがあって中立性を保つのが難しい場合は、ファシリテーションスキルを持った専門家に依頼するのもおすすめです。さいごにファシリテーターの役割や、職場に必要な理由を紹介しました。話し合いを効率よく進めるためのサポート役でありながら、従業員の人材育成につながる可能性も。今回紹介した内容を参考に、ご自身の会社でもぜひ、ファシリテーターの活用を検討してみてください。社員の力を引き出すならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「人材育成に必要なスキル。初めて部下を持った人にまず大切なことは?」