SDGs(エスディージーズ)について、テレビ番組やインターネットニュースなどで取り上げられることもあり、日本でも少しずつ認知度が上がってきました。その一方で、SDGsの内容や目的を熟知している、実際に取り組みをおこなっている人や企業はまだ少ないようです。またSDGsが環境や貧困の問題を取り上げていることから、社会貢献だけで一般企業には関係やメリットはないのでは?といった見解もあるようです。健康経営や働き方改革については、すでに認知度も高く、実際に取り組んでいる企業も多いのではないでしょうか。SDGsの掲げる目標には、健康経営や働き方改革に関連がある内容もあります。SDGsを意識した健康経営や働き方改革の取り組みは、企業によいメリットもあるため、内容や目的を理解することは企業の成長にも欠かせない要素といえるでしょう。この記事では、SDGsの概要と、健康経営や働き方改革との関連や取り組むことのメリットについて紹介します。エンゲージメントを向上したいならロコソルへSDGsとはSDGsとは「Sustainable Development Goals」の略で、日本語では「持続可能な開発目標」の意味を表します。簡単にいうと環境や差別、貧困など世界中のさまざまな課題解決に向けて、みんなで取り組んでいこう、といった目標です。SDGsは2015年9月の国連サミットで、加盟している国、全会一致で決まり、2030年までに達成する17の目標を掲げました。日本では、2016年に政府によってSDGs推進本部が設置されSDGs実施指針を策定しました。この指針にもとづき、17の目標を日本向けに再構築したり、SDGsアクションプランを各省庁で毎年策定したりと実施を進めています。SDGsと健康経営との関係と企業メリット企業がSDGsに取り組むことは、実は健康経営の目標達成にもつながります。健康経営優良法人認定制度は経済産業省が2016年に創設した制度です。優良な健康経営に取り組んでいる企業は、健康経営優良法人として認定され、そのなかから上位500の法人には「ホワイト500」「ブライト500」(企業規模により分類される)が付加される制度があります。ホワイト500やブライト500に選ばれると、社会的なイメージの向上や、応募者が増えるなど、企業にとってもメリットがあります。ここでは、健康経営に深く関りのあるSDGsの目標3つに触れていきます。SDGsと健康経営の関係を理解したうえで、SDGsの目標も達成できるよう、健康経営について実施目標の内容を修正するのもいいでしょう。SDGs17の目標のうち健康経営にとくに関係の深い目標3、5、8の3つを紹介します。目標3「すべての人に健康と福祉を」すべての人が健康でいられる、安心して暮らせる福祉サービスみんなが受けられる、という目標です。近年、病気の予防や健康寿命などに興味関心を持つ人が増えており、さまざまな業種の企業が、ヘルスケア産業に参入する動きが見られます。需要も供給も拡大中の健康分野ですが、SDGsの目標達成につながるような、企業での取り組み例を挙げてみます。・従業員への保健・健康指導を強化し一人ひとりの健康意識を高め、健康管理に努める・ストレスチェックの徹底や管理者や第三者による相談対応などメンタルヘルスケアの強化・感染症の予防対策を実施する・喫煙や受動喫煙による健康被害の知識を広め喫煙率低下への取り組みをおこなう経営者や従業員など企業で働く人の心とからだの健康はどんな業種においても維持向上したい大切な要素です。経済産業省が毎年おこなっている「健康経営度調査」の項目にも保健指導やメンタルヘルスに関する教育などが組み込まれていることからも、目標3に関する取り組みは、健康経営の目標達成にもつながるといえるでしょう。目標5「ジェンダー平等を実現しよう」性別にかかわらずすべての人が平等な機会を与えられる、すべての女性と女の子が能力を発揮できる社会を実現する、という目標です。世界経済フォーラムが発表したジェンダー・ギャップ指数(2022)(※1)によると日本の順位は146か国中116位で先進国のなかでもとりわけ低い結果でした。(※1)内閣府 男女共同参画局「「共同参画」2022年8月号 ジェンダー・ギャップ指数2022」日本のジェンダー格差は、世界から見てもまだまだ遅れているということでしょう。女性の社会進出が進み、ひと昔前よりは雇用や待遇などに男女の格差は減ってきたとはいえ、女性が働くうえでの課題は依然としてあります。ジェンダー平等の課題を解決するための実施目標でSDGsに関連する内容の例を挙げてみます。・ワークライフバランスを推進し従業員の生活の充実をはかる・ハラスメントの相談窓口を設置するなど、従業員が悩みを相談しやすくする・母性健康管理など妊娠や出産する女性従業員のサポート体制を整えるまた、からだとこころの性が違う、同性が恋愛対象となるなど「LGBTQ」と呼ばれる人たちが就労や仕事で格差や差別を感じているのも現状です。LGBTQの人たちが安心して働ける環境づくりも企業が取り組むべき課題のひとつでしょう。目標8「働きがいも経済成長も」すべての人が働きがいと必要な収入を確保できる仕事につく、という目標です。働きがいや経済成長においてSDGsに関連する内容の実施例を挙げてみます。・個々の働きがいや職務満足度などの調査をおこなう・コスト削減や業務効率の改善により収益アップをはかる・公平な評価体制の整備・個人の適正に応じた配置転換をおこなう働きがいがあり収入が確保されることによって、個々のパフォーマンスが向上し、企業としての収益アップにつながる可能性もあります。目標8の達成は企業や国の経済成長の実現にも関係しているといえるでしょう。SDGsと健康経営は働き方改革の推進にもつながるSDGsとの関連性は健康経営だけでなく、働き方改革にもつながっています。働き方改革の目的として、掲げている達成目標のいくつかを挙げてみます。・ワークライフバランスの実現・多様な働き方の選択・労働時間の見直し・産業医保険機能の強化・働き手不足にともなう生産性の向上いずれも上で紹介したSDGsや健康経営の目標に関連している部分も多く、SDGsと健康経営、働き方改革は相互に関連していることがわかります。企業の経営者は、3つの内容を理解したうえでそれぞれが関連付くような目標や指針を策定するのがいいでしょう。まとめ:SDGsを意識した健康経営や働き方改革で企業の成長もSDGsの概要と、健康経営や働き方改革との関連について紹介しました。SDGsを軸にした健康経営や働き方改革の取り組みは、社会的なイメージアップや従業員の作業効率向上などにつながりやすいメリットもあります。企業の経営者は、SDGsの目標の内容理解し、健康経営や働き方改革と関連付けた取り組みをおこなってみてはいかがでしょうか。エンゲージメントを向上したいならロコソルへこちらの関連記事もご覧ください。「経済産業省が推進する健康経営とは?その取組内容と企業にとってのメリット」